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成因論的には?型といわれるタイプでしょう。外来やとくに老人保健法に基づく基本健康診査、あるいは企業等の健康診断、人間ドックなどで見つかってくる異常者はこのタイプで、ごく軽い時期にあるものではないでしょうか。これは耐糖能障害、あるいは糖負荷試験の成績で境界型と判定されるものです。
同じように、このインスリン非依存型の糖尿病で遺伝的な素因をもっている人は、日本人の場合10〜20%います。この体質をもっている場合には、妊娠をしますと、胎盤からたくさんのホルモンが出てきますが、そのホルモンのほとんどはインスリンとは反対の働きをするものなので、その結果、妊娠経過中胎盤が形成された後に糖尿病状態、つまり血糖値が高くなってくることがありますが、その状態を妊娠糖尿病といっています。ですから、女性の場合には体質的に糖尿病の素因があるかどうかを見るチャレンジテストをすることが妊娠経過ということになります。このタイプの糖尿病でインスリンがその時期使われても、胎盤がなくなる、つまりお産が終われば、この糖尿病状態は軽快します。しかし、その後10年、15年あるいは20年という経過で、また再び本格的なインスリン非依存型糖尿病として中高年の糖尿病と診断されるというケースがふえています。
ですから、このインスリン非依存型の糖尿病というのは非常に軽い時期があるということ、そしてその軽い時期よりもっと若い時代。女性に限っては妊娠がチャレンジテストになり得るので、その限られた2、3ヵ月の間だけ糖尿病との付き合いをしなければならないということもあり得るということをまず頭に入れていただきたいと思います。
一方、子供の糖尿病、若年型と昔からいわれていた糖尿病はインスリン依存型として診断されています。このタイプの糖尿病は、インスリン非依存型糖尿病とは原因が異なっています。それらの分類を表1に示し

 

 

 

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